上後腸骨棘(Psis)の痛みと触診法|骨盤の歪みや仙腸関節障害の真相

上後腸骨棘(Psis)の痛みと触診法|骨盤の歪みや仙腸関節障害の真相

上後腸骨棘(Psis)の痛みと触診法|骨盤の歪みや仙腸関節障害の真相に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

上後腸骨棘は、運動器のバイオメカニクスだけでなく、内科・血液内科の診療領域においても人命を左右する重要拠点です。白血病や再生不良性貧血、多発性骨髄腫などの確定診断に不可欠な「骨髄穿刺(マルク)」および「骨髄生検」において、第一選択の穿刺部位として指定されているのが上後腸骨棘です。

胸骨(前胸部の中央にある骨)から穿刺されるケースもありますが、現代の医療ガイドラインでは安全性の観点から腸骨(特にPSIS)が標準とされています。その理由は3点に集約されます。

  • 重要臓器の損傷リスクが皆無:胸骨穿刺では深度を誤ると心臓や大動脈を損傷する致死的リスクがありますが、PSISは背側に位置し、骨の直下に主要臓器が存在しないため安全性が極めて高い。
  • 骨髄腔の容積が大きく十分な検体が採取可能:腸骨稜後部は骨皮質が強固である一方、内部の海綿骨(骨髄腔)が豊かで、診断に必要な骨髄液や組織片を確実に採取できる。
  • 術後の圧迫止血が容易:硬い骨突起であるため、穿刺針を抜去した後に体重を利用した仰臥位での圧迫止血が確実に行え、血腫形成などの合併症を防ぎやすい。

患者が腹臥位(うつ伏せ)または側臥位(横向き)の姿勢をとり、医師がPSISの最も盛り上がった骨指標を正確に指先で捉えた上で、局所麻酔を施して穿刺針を進めます。このように、PSISは解剖学的な「目印」として医療の安全を根底から支えています。

山田 真由
著者

山田 真由

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