東京スカイツリープロジェクトに投じられたマネーは、タワー単体だけでなく、周囲に広がる大規模複合施設「東京スカイツリータウン」全体の開発を含めて語る必要があります。東武鉄道および事業主体である東武タワースカイツリー株式会社の公式開示情報によると、プロジェクト全体の総事業費は約650億円に達します。
その詳細な内訳を見ると、最も大きな割合を占めるのがタワー本体の工事費用(約400億円)です。これには高さ634mの鉄骨建方、特殊基礎工事、地上デジタル放送用のアンテナ設置、高速エレベーター設備などが含まれます。残る約250億円は、300以上の店舗が集う商業施設「東京ソラマチ」、地上31階建てのオフィス棟「東京スカイツリーイーストタワー」、水族館やプラネタリウム、周辺インフラの整備費用に充てられました。
ここで特筆すべきは、敷地面積約3.7ヘクタール(約36,900平方メートル)におよぶ土地取得費が極めて低く抑えられた点です。開発用地はもともと東武鉄道が保有していた旧業平橋駅(現・とうきょうスカイツリー駅)の貨物ヤード跡地でした。都心近接エリアでこれだけの広大な用地を新規取得した場合、土地代だけで数百億円規模の上乗せが必要となりますが、自社遊休地を活用できたことが、総事業費を約650億円という採算ラインに収める最大の勝因となりました。