『少女椿』で丸尾ワールドの毒気に当てられた読者に向けて、押さえておくべき必読の代表作を紹介します。
まずは、江戸川乱歩の同名小説を圧倒的な筆致でコミカライズした『パノラマ島綺譚』(2008年)。本作は第13回手塚治虫文化賞新生賞を受賞し、アングラ界の鬼才が正当な漫画史においても最高峰の技術者であることを世に知らしめた金字塔です。
続いて、同じく乱歩原作を大胆にアレンジした『芋虫』や、戦前の東京を舞台に怪奇事件と少年たちの運命を描いた大作『トミノの地獄』も外せません。初期の短編集である『笑う吸血鬼』や『DDT』など、どの作品を手に取っても、緻密なスクリーントーンと耽美な描線が織りなす唯一無二の幻想世界を堪能できます。