WBCアメリカ代表におけるメジャー選手の辞退理由は、ジャッジ選手個人の問題にとどまらず、MLBの構造的なシステムが深く関係しています。特に主力投手や巨額契約を結んだ野手にとって、3月という開催時期はスプリングトレーニングの立ち上げ期間にあたります。
MLB球団は選手に対して莫大な年俸を支払っているため、怪我のリスク管理には極めて神経質です。実際に、大会期間中の故障によってレギュラーシーズンを棒に振る事例は過去に何度も発生しており、保険の適用可否や球団フロントの意向が選手の出場可否を左右します。
侍ジャパンのように「国を背負って戦うこと」が選手個人の最上位モチベーションになりやすい環境と比較すると、米国では「所属球団で162試合を戦い抜きワールドシリーズを制覇すること」が契約上の最重要ミッションと位置づけられています。ジャッジ選手の決断は、ニューヨークという全米一プレッシャーのかかるマーケットにおいて、ファンの期待に応えるための誠実な答えだったと言えます。