時間の絶対性に疑問を投げかけた代表格といえば、物理学者アルベルト・アインシュタインだろう。特殊相対性理論および一般相対性理論は、重力が強い場所や高速で移動する環境では時間の進み方が遅くなることを証明した。地表にいる私たちにとっての3600秒と、宇宙ステーションの軌道上を飛ぶ宇宙飛行士の3600秒は、完全に一致しているわけではない。
この時間の相対性を圧倒的な映像美で描き切ったのが、映画監督クリストファー・ノーランが手掛けたSF (サイエンス・フィクション)の傑作『インターステラー』だ。劇中、巨大ブラックホール「ガルガンチュア」の強大な重力圏にある海洋惑星に降り立った主人公たちは、「この星での1時間は地球の7年に相当する」という過酷な現実に直面する。フィクションの極地のように思えるが、GPS衛星の時計補正など、相対論的効果は現実のインフラでも日常的に数億分の一秒単位で計算されている。