手軽に高速化の恩恵を受けられる一方で、ユーザーが強く意識しなければならないのが開発者向けオプションの危険性です。システム深部にアクセスできる権限を与えるため、不用意な変更は予期せぬ不具合を引き起こす温床になりかねません。
最大のセキュリティホールになり得るのが、開発者向けオプション内の「USBデバッグ」です。この項目は、PCからコマンドラインを介して端末に直接指示を送るためのプロトコルを解放します。もしUSBデバッグをオンにしたまま、街中のカフェや駅に設置された共有充電ポート、あるいは悪意のある公衆PCにスマホを有線接続した場合、端末内の写真、連絡先、各種認証トークンなどの個人情報が秘密裏に吸い出される「ジュースジャッキング攻撃」の標的となるリスクが跳ね上がります。
また、金融機関のバンキングアプリや著作権保護が厳しい定額制動画配信サービス、一部の位置情報ゲームなどは、チート行為や情報漏洩を防止する目的で「開発者向けオプションが有効化されている端末では起動をブロックする」という仕様を設けています。理由のわからないアプリエラーに遭遇した際は、開発者モードそのものが原因になっているケースが珍しくありません。