生徒の瞳に自信を取り戻させる。その一点に照準を絞った大阪府立西成高等学校の根幹にあるのが、エンパワメントスクールとしての明確な設計思想だ。授業は30分刻みの集中型モジュール方式を採用し、学び直しの基礎講座から応用へと無理なくステップアップできる仕組みを構築した。
「わかる楽しさ」を肌で知った生徒は変わる。席を立ったり私語に逃げたりしていた生徒が、自ら教科書を開き、隣の席の級友と解法を議論し始める。かつての元校長・山田勝治氏らが撒いた「自尊感情を育てる」という種は、現場の教職員たちの手によって強固なカルチャーへと成熟した。点数で人間を序列化しない。学ぶ権利をすべての子どもに等しく保障する。その執念が、校内の至る所に息づいている。