物語のグランドフィナーレを飾る明月栞那ルートでは、タイトルの『死神の蝶』が何を意味していたのか、なぜ喫茶ステラを開店しなければならなかったのかという根本的な謎が明かされます。
死神として感情を抑え、淡々と職務をこなしているように見えた栞那ですが、その内面には主人公・昂晴との遠い過去からの因縁や、決して消えない切実な願いが秘められていました。霊たちが残す想い(蝶)を集める行為の真の目的が判明した瞬間、オープニングから張り巡らされていた無数の違和感が一気に回収されます。
死という不可逆な別れを前に、2人がどのような決断を下し、どのような形で日常を取り戻すのか。悲劇的な設定を軽妙な会話劇で包み隠しつつ、最後には温かな涙を誘う着地点を用意する手腕こそ、本作がライター陣の最高到達点と称賛される理由です。