劇団四季の舞台でヒロインを演じ分け、客席を涙と歓喜で包み込む谷原志音。その凛とした佇まいと卓越した日本語の美しさから国内出身と誤解されることも少なくありませんが、彼女のルーツはミュージカル大国・韓国にあります。
本名は崔志銀(チェ・ジウン / Choi Ji-eun)。名門・ソウル芸術大学で演技・声楽の基礎を徹底的に叩き込まれた後、2009年、数百倍とも言われる超難関を突破して劇団四季研究生として来日・入所を果たしました。異国の地で母国語ではない日本語のイントネーション、母音法(劇団四季独自の発声技法)を完璧に習得した努力は、当時の研究所関係者の間でも「稽古場に最後まで残り、発音テープを擦り切れるほど聞き返していた」と語り継がれています。
2010年、『ライオンキング』のヒロイン・ナラ役で異例のスピードデビューを飾ると、その類まれな歌唱力は瞬く間に劇団の内外で話題となりました。年齢については劇団の公式方針に基づき公表されていませんが、大学卒業および入所時期を考慮すると現在40代前半と推測され、舞台人として最も表現力と技術が噛み合う黄金期を迎えています。『マンマ・ミーア!』のソフィ役、『ウィキッド』のグリンダ役、『リトルマーメイド』のアリエル役、そして『エビータ』『ジーザス・クライスト=スーパースター』など、演じた役柄の幅広さは劇団四季の歴史でも屈指のキャリアを誇ります。