KINGレイナのキャリアにおいて最大の転換点であり、ファンに大きな失望を与えてしまったのが、複数回にわたる計量オーバー問題でした。特に2019年10月のDEEP JEWELSフェザー級マッチで2.3kgの体重超過を喫し、翌2020年9月のDEEP 97 IMPACTで設定されたフェザー級(65.8kg契約)でも1回目計量で2.9kg、再計量でも1.9kgの大幅オーバーとなって試合が不戦敗・中止となった事態は、プロ格闘家としての資質を問われる大騒動へと発展しました。
なぜ、あれほど高いプライドを持っていた彼女が体重を落とせなかったのか。関係者の証言や当時の状況を検証すると、そこには体重と階級設定における構造的な歪みが存在していました。
もともと彼女は骨格が太く、筋量が豊富なヘビー級・オープンウェイト寄りの体躯を誇っていました。しかし、国内の女子総合格闘技界では60kgを超える契約体重でマッチメイクできる対戦相手が極めて限られています。海外遠征や国内トップ戦線での継続的な試合機会を確保するため、陣営は段階的な減量を決断し、フェザー級(65.8kg)からバンタム級(61.2kg)への転向を模索していました。
しかし、急激な減量は女子アスリート特有の内分泌系に深刻な影響を与えます。関係者筋によると、過度な食事制限と水抜きの反復によって基礎代謝が著しく低下し、最後の数キロを落とす段階で身体が完全な脱水拒否状態(ホメオスタシスによる発汗停止)に陥っていたといいます。計量会場に現れた彼女の顔は生気を失い、足元もおぼつかない状態でありながらリミットに届かないという、肉体崩壊の瀬戸際に追い込まれていたのが実態でした。プロとしての自己管理責任は免れないものの、そこには階級不足という女子MMA界の構造的なジレンマが深く影を落としていました。