「天然由来だから安心」「ビタミンだから安全」というイメージは、医学的には大きな誤解です。経口摂取したサプリメントの成分は胃腸で吸収された後、門脈を通ってすべて肝臓へと運ばれます。肝臓は体内に入ってきた異物を無毒化・代謝する工場ですが、高濃度に抽出・濃縮された成分が一気に流入すると、処理能力の限界を超えてしまいます。
医療現場では、医薬品だけでなく健康食品によって引き起こされる肝障害をサプリメントによる薬物性肝障害と呼びます。発症パターンは大きく分けて2種類存在します。1つは成分そのものの過剰摂取によって肝細胞が破壊される「中毒性」、もう1つは摂取量に関わらず体質やアレルギー反応によって生じる「特異体質性」です。健康診断などでサプリメントによるAST・ALTの上昇が確認された場合、自覚症状がなくても肝細胞の破壊が急速に進行している恐れがあります。