メディアが長年無視してきた当事者の切実な訴えが、インターネットやSNSの普及によってダイレクトに社会へ届くようになった。2010年代半ば以降、LGBTQ+をめぐる権利擁護の動きが日本国内でも急速に高まり、差別的な表現に対する社会全体の倫理的ハードルは一気に引き上げられた。
「昔はこれで笑っていた」という制作側の甘いノスタルジーは、当事者や新しい世代の価値観と決定的に衝突した。エンターテインメントの名のもとに誰かの尊厳を傷つける表現は、もはや許容されないという明確なラインが、あの騒動を経て日本のメディア空間に引き直されたと言える。