2000年代半ば、ブラウザ上で高度な機能を実現するリッチインターネットアプリケーションの主役として、FlashはWeb世界の中心に君臨していた。しかし、急速なスマートフォンの普及がその足元を揺るがし始める。バッテリー消費の激しさと、頻発するセキュリティホールが大きな課題として浮上したのだ。
歴史の転換点となったのは2010年。Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズが発表した公開書簡「Thoughts on Flash」である。iOSデバイスでの非対応を明言したこの決断は、Web業界全体に決定的な衝撃を与えた。これを皮切りにGoogle Chromeをはじめとする主要ブラウザが段階的にサポートを縮小。オープンなWeb標準規格であるHTML5への移行が進み、一つの時代が幕を閉じることとなった。