モダン・メキシコ料理の金字塔を打ち立てた世界最高峰のシェフ、エンリケ・オルベラ。彼が提唱した「ニシュタマリゼーション(トウモロコシのアルカリ処理プロセス)」へのこだわりは、全世界の料理人に多大な影響を与えた。静岡の先鋭的な専門店でも、輸入の既製品マサ(トウモロコシ粉)に頼らず、乾燥トウモロコシから自家製生地を仕込む店舗が登場している。
プレス機で一枚ずつ丁寧に押し伸ばされ、高温のコマール(鉄板)で瞬時に焼き上げられるトルティーヤ。立ち上る香ばしいトウモロコシの香気は、一口食べればこれまでの概念を覆すほどの力強さを持つ。この生地への情熱こそが、今のタコスブームの本質と言えるだろう。