高校卒業を控えた時期、北村匠海さんが直面したのが「大学へ進学すべきか、芸能活動一本に専念すべきか」という人生の大きな岐路でした。当時、周囲の友人や同世代の俳優の中には大学進学を選ぶ者もいましたが、北村さんは最終的に進学しない決断を下しました。
その背景には、大きく分けて2つの決定的な要因が存在します。
第一に、「DISH//」の飛躍とスケジュール面の現実です。高校在学中の2015年1月、DISH//は念願であった日本武道館での単独公演を大成功させました。グループとしての活動規模が一気に拡大し、全国ツアーや楽曲制作が本格化する中で、中途半端な姿勢では学業と音楽の両立が困難であることは明白でした。
第二に、「役者という仕事への覚悟」です。過去のインタビューにおいて北村さんは、10代後半の時期を振り返り、「自分は役者として生きていくのだという腹を括った」という趣旨の告白を残しています。高校を卒業した2016年直後、映画『君の膵臓をたべたい』(2017年公開)の主演(僕役)をオーディションで射止め、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。大学へ進学せず表現の世界に全エネルギーを注いだ決断が、見事に結実した瞬間でした。