武雄温泉元湯の浴室へ足を踏み入れると、中央に鎮座する二つに仕切られた御影石の浴槽が目に飛び込んできます。向かって右側が「ぬる湯」、左側が名物の「あつ湯」です。「ぬる湯」と名付けられているものの、その設定温度は一般的な温浴施設よりも高めの約41.5度〜42.5度。そして左側の「あつ湯」に至っては、湯温計が44.0度〜45.5度を指すことも珍しくありません。
一般的な日帰り温泉や銭湯の適温が40〜41度程度であることを踏まえると、45度前後の湯は初見の入浴者にとっては足を入れた瞬間に肌がピリリと緊張する刺激的な熱さです。なぜ元湯の湯はここまで熱く保たれているのでしょうか。その理由は、自然の恵みと徹底した湯守のこだわりにあります。
武雄温泉の源泉温度は約51度〜52度。元湯では、地下から自噴・揚湯された新鮮な源泉を、加水によって薄めることなく浴槽へと導いています。熱交換器や外気による自然放熱を絶妙にコントロールしながら湯船へ注ぎ込むため、源泉が持つ豊かな有効成分と鮮度を100%保持したまま浴槽に満たされます。
常連の地元客や熱湯を愛する温泉通からは、「この熱さだからこそ、湯から上がった後の爽快感とポカポカ感が別格」「身体の芯まで一気に熱が通り、疲労が吹き飛ぶ」という絶賛の声が寄せられています。無理な長湯は禁物ですが、正しい手順で入浴すれば極上の温まりを体感できる設計になっています。