莫大な富と名声を手に入れた一方で、りえままの名は長年にわたりスキャンダラスな文脈で語られてきました。当時報じられた若貴ブームの主役・貴乃花(当時・貴花田)との「世紀の婚約破棄騒動」、海外映画監督への直談判劇、さらには娘の仕事や恋愛を過剰にコントロールしていたとする報道の数々です。ネット掲示板やSNSでは、これらの過去記事が切り抜かれ、「昭和最強の毒親」「娘を食い物にしたステージママ」という極端な評判が定着していました。
しかし、この世間の風潮に対して沈黙を破ったのが、誰あろう娘の宮沢りえさん本人でした。52歳の誕生日を迎えた直後、自身のInstagram(公式アカウント)に投稿された長文のメッセージは、メディア関係者に大きな衝撃を与えました。
りえさんは、長年心に秘めていた思いとして次のように綴っています。
「随分、長いこと尾鰭背鰭がついた状態で本来の姿ではない母がSNSの中を重そうに泳いでいる。有る事無い事で塗り固められた母がSNSにこびり付くように存在している」
11年前に他界した母・光子さん(享年65)に対する理不尽なバッシングや、事実無根のデジタルタトゥーに対し、娘として深い胸の痛みを吐露したのです。現場の舞台関係者や旧知の映画スタッフの証言によれば、光子さんは撮影現場で誰よりも礼儀正しく、スタッフ全員に気を配り、娘の健康と安全を最優先に守る「防波堤」でもありました。世間が面白おかしく消費した「モンスターペアレント」のイメージは、芸能マスコミが視聴率や部数のために誇張した虚像であった側面が極めて強いと言えます。