「掃除のたびに手前へ引き出せる」という甘美なセールストークに飛びつくユーザーは後を絶たない。しかし、ここに白物家電業界のタブーが潜んでいる。キャスター付き洗濯機置台の多くは耐荷重300kgや500kgといった怪しげな数値をアピールしているが、あれはあくまで均等に静止させた状態での理論値にすぎない。
稼働中のドラム内では、水を含んだ衣類が一箇所に偏ることで瞬間的に自重の3倍近い強烈なG(重力加速度)が発生する。点接触で床を支えるプラスチック車輪には局所的な負荷が集中し、車軸の歪みやストッパーのすっぽ抜けが頻発。実験中にも、脱水の遠心力で台ごと数十センチ勝手に暴走する戦慄の光景が確認された。フローリングに深い陥没痕を刻みたくないなら、安易な移動機構への過信は捨てるべきだ。