文部科学省の学習指導要領改訂を受け、大学入試センターが作成する設問は年々進化を遂げている。単一のテキストをただ訳すだけの時代はとうに終わった。複数の資料、和歌のやり取り、登場人物の対話文を照らし合わせる「多角的な情報処理」が標準となっている。
この新傾向において、古文助動詞の識別ミスは致命傷となる。たとえば「ぬ」が完了(連用形接続「ぬ」の終止形)なのか、否定(未然形接続「ず」の連体形)なのか。助動詞の接続を一瞬で見分ける構造的把握力がない受験生は、対話文の解釈で完全に罠に嵌まる設計になっている。知識の暗記量ではなく、知識を文脈照合に適用するスピードが合否を分ける。