生島足島神社が歴史ファンや研究者の間で絶大な存在感を誇る最大の理由、それが甲斐の虎・武田信玄との深い関わりだ。戦国時代の永禄10年(1567年)、信玄は上杉謙信との熾烈な戦いが続くなか、配下の家臣団80余名に忠誠を誓わせる大誓状をこの神社に奉納した。
これらは「武田信玄誓状」あるいは起請文群として知られ、現在83通もの古文書が神社に遺されている。神の罰を恐れ、偽りのない忠誠を神前で誓った生々しい起請文は、重要文化財として指定されており、文化庁や歴史学界にとっても第一級の史料だ。単なる歴史的遺物にとどまらず、乱世を生きた武将たちの魂の叫びが今なお紙面から立ち上ってくる。