『NANA』の特徴は、本編の合間に挿入される「未来編」の存在にある。作中では数年後の世界が断片的に描かれている。小松奈々(ハチ)は、白金のマンション707号室を守り続けていた。そこには巧との間に生まれた娘・皐(さつき)の姿があり、ふたりの絆は完全に切れていないものの、冷めた関係性がうかがえる。
一方、日本を離れた大崎ナナはイギリスにいた。金髪に髪を染め、海外の海辺のパブで歌い続けるナナの姿。彼女の手元には、かつてハチたちと分かち合った思い出が静かに残されている。ハチやヤス、伸夫たちは、彼女が生きている証拠を掴みながらも、そっと見守り再会を待ち続けているのだ。完結していないものの、ふたりがそれぞれの場所で力強く息づいている姿こそが、作中における実質的な結末と言える。