現在の勢力争いを語る上で外せないのが、国際自動車連盟(FIA)が主導する新レギュレーションだ。電動化比率の大幅な引き上げと持続可能燃料(サステナブルフューエル)の100%導入は、パワーユニットサプライヤー間のパワーバランスを根底から覆した。
この大転換期において、本田技研工業の技術力は再び世界最強の座を狙える位置にある。エンジンとハイブリッドシステムの統合制御において、ホンダの知見はライバルたちを一歩リードしているとの見方がパドック内でも強い。マシンパッケージの優劣がリセットされた今こそ、日本人ドライバーがトップステップに立つ最大の好機が到来したと言えるだろう。
技術の進化はドライバーにも過酷な適応を強いる。回生エネルギーのマネジメント、激変した空力特性への対応──新時代のコックピットは、知性と野性を高次元で融合させたドライバーだけが生き残れる極限の実験場となっている。