三井三池炭鉱の光と影、地下に眠る未公開遺構と争議の真実を追う

三井三池炭鉱の光と影、地下に眠る未公開遺構と争議の真実を追う

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戦後、高度経済成長の足音が近づく中で、三池は再び日本中を揺るがす大事件の震源地となる。1959年から1960年にかけて勃発した「三池争議」である。エネルギーの主役が石炭から石油へと移行する中で、三井鉱山側が打ち出した大量指名解雇に対し、強固な組織力を誇る三池炭鉱労働組合が全面ストライキで立ち向かった。

「総資本対総労働の対決」と呼ばれたこの闘争は、単なる賃上げ交渉ではなかった。労働者の尊厳と雇用の維持をかけた意地のぶつかり合いだった。会社側が雇った暴力団や警備隊と組合員が衝突し、流血の事態へと発展。313日におよぶ泥沼の籠城と膠着状態の末、労働組合側は事実上の敗北を喫し、炭鉱社会には深い分断が刻み込まれた。

さらに争議終結からわずか3年後の1963年、三川坑で458名もの尊い命を奪い、800名以上の一酸化炭素中毒患者を出した戦後最悪の炭塵爆発事故が発生する。合理化と安全軽視の歪みが一気に噴出したこの惨劇は、地域社会の息の根を止め、日本のエネルギー史における最も暗い傷跡となった。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。