「何を話せばいいのか分からない」という悩みの根底には、「面白い話をしなければいけない」という強い思い込みが存在する。しかし、宴の席で求められているのは、高度なエピソードトークや爆笑を取る芸人レベルのトーク力ではない。
最新の実験データに基づくと、場を盛り上げる人物の本質は「優れた話し手」ではなく「極上のリアクション力を持つ聞き手」であることがわかっている。沈黙が生じた瞬間に慌てる必要はない。相手が過去に発した一言や、身につけている小物をトリガーにして、「そういえば、以前おっしゃっていた件ですが……」と質問を投げかけるだけで十分だ。話の主軸を相手に渡すことこそが、気まずい空気を一瞬で霧散させる秘匿テクニックと言える。