本場の伊勢うどん専門店では、生麺を大きな釜で約40分から1時間かけてじっくりと茹で上げます。一般的なうどんの常識からすると考えられない長さですが、この長時間の茹で工程によって麺の芯まで水分が浸透し、デンプンが完全に糊化(アルファ化)してあの独特の「ふんわり、もちもち」とした極上食感が生まれます。
家庭で手軽に入手できる「市販のゆでうどん」や「冷凍うどん」を使用する場合でも、以下の手順を踏むことで本場に近い食感を再現できます。
1. 重曹を加えた微アルカリ湯で茹でる裏技
鍋にたっぷりのお湯(約1.5L)を沸かし、食用の重曹を小さじ1/2投入します。お湯が微アルカリ性になることで、小麦粉のグルテン網目が適度に緩み、短時間で麺の外側から中心までふっくらと柔らかく膨らみます。
2. 弱火でじっくり煮込む時間配分
冷凍うどんの場合は電子レンジで通常通り解凍した後、沸騰した湯に入れて弱火で約7〜10分間煮込みます。強火で煮立てると麺の表面が溶けてお湯が濁ってしまうため、静かに対流する程度の弱火を保つのがポイントです。
3. 湯切りは優しく、水締めは厳禁
茹で上がった麺は冷水で締めてはいけません。ザルにあげて優しく湯を切り、熱々のまま丼に移します。麺の表面に適度な水分と温かさが残っている状態でタレを回しかけることで、タレが麺の微細な隙間にスッと染み込み、極上の一体感が生まれます。