1980年代、日本の音楽業界において異彩を放っていたのがアン・ルイスと桑名正博の二人だった。ビクターエンタテインメントをはじめとする大手レーベルから次々とヒット曲を送り出し、カルチャーそのものを牽引した二人。その二人の間に生まれた桑名美勇士は、生まれながらにして最高峰の音楽的環境と、逃れられない大きな期待を背負うこととなった。
幼い頃から家の中で鳴り響く生のロックサウンド、楽屋裏の熱気、そして華やかなメディアの世界。それらは少年時代の彼にとって日常であり、同時に重圧でもあった。ロック魂溢れる自由奔放な両親の背中を見つめながら、彼は自分だけの音を探す旅をスタートさせたのだ。