公の場やイベントで車椅子姿が見られるようになった背景には、長年にわたる過酷なステージ務めと、加齢に伴う複数の運動器疾患が関係しています。決して突発的な一過性の重病によるものではなく、脊柱管狭窄症や首・腰の持病に対する慎重なリスク管理が直接の契機です。
北島三郎の身体を襲った大きな転機は2016年8月に遡ります。自宅で転倒した際に首の痛みを訴え、精密検査の結果「頸椎症性脊髄症」と診断されて緊急手術を受けました。この疾患は首の骨の中を通る神経(脊髄)が圧迫され、手足のしびれや運動障害を引き起こすものです。術後は過酷なリハビリを経て復帰を果たしたものの、下半身への神経伝達に微細な影響が残る形となりました。
さらに2019年秋には、自宅の庭で転倒して両足の指を骨折。歩行時にバランスを崩しやすい状態が重なったことから、無理な直立・自力歩行による再転倒を防ぐため、移動時や長時間の待機において車椅子を積極的に導入する判断が下されました。