多くのケーキデコレーション初心者が直面する最大の壁が、パレットナイフを使ってスポンジの表面を滑らかに覆うナッペの工程です。プロの現場でも長年の修業を要するこの技術を家庭で再現しようとすると、触りすぎてクリームがボソボソになったり、スポンジのカスが混ざり込んだりして見栄えを損ねてしまいます。
そこでおすすめしたいのが、最初から側面を完全に塗らない「ナッペなしケーキ」のアプローチです。あえてスポンジの断面をうっすらと覗かせるネイキッドケーキ作り方は、海外のウェディングシーンから火がつき、今や日本の家庭用アニバーサリーケーキでも定番のスタイルとなっています。
クリームを側面に薄くラフに伸ばすだけで、素朴でありながら洗練されたアンティーク調の佇まいが完成します。さらに、スプーンの背を使ってクリームに波のようなテクスチャーをつけるペタル(花びら)塗りや、パレットナイフで下から上へと無造作に立ち上げるラフ塗りを取り入れれば、平坦なナッペよりもかえって立体感と温かみのある仕立てになります。