この地域が持つ風光明媚な魅力は、今に始まったことではない。明治時代、東京帝国大学の学生だった文豪・夏目漱石は、静養と海水浴のためにこの富浦・南無谷エリアに滞在し、その体験を手紙や随筆に書き残している。古くから気候温暖で風光明媚な地として知られ、都市の知識人や文人たちに愛されてきた歴史を持つ。
さらに時代を遡れば、江戸時代の浮世絵師・歌川広重もまた、房総半島の雄大な海岸線と東京湾越しに見える富士山を描き、その美しさを世に広く伝えた。定番の国内旅行ガイドにも載りにくいローカルな歴史ストーリーを知ることで、目の前に広がる砂浜の重みが一層深く迫ってくる。