高倉健「不器用ですから」の真実 語り継がれる昭和最後のカリスマ

高倉健「不器用ですから」の真実 語り継がれる昭和最後のカリスマ

高倉健「不器用ですから」の真実 語り継がれる昭和最後のカリスマの要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

日本盛のテレビCMで放映され、瞬く間に列島中を席巻した「不器用ですから」という台詞。一般には、寡黙で誠実な高倉健のパブリックイメージをそのまま切り取った名コピーとして語り継がれてきた。しかし、その誕生の裏側には、予定調和を嫌った表現者同士の激しい火花が散っていた。

当初、制作陣が用意していた絵コンテには、別の口語的なセリフが並んでいたという。だがカメラの前に立った高倉は、過剰な言葉で自分を飾ることを潔しとしなかった。現場で幾度も言葉を削ぎ落とし、沈黙と逡巡の果てに絞り出されたのが、あのあまりにも素朴な一言だった。器用に振る舞えない己への自嘲でありながら、同時に、決して己の信念を曲げないという静かな宣戦布告。それは計算された演出ではなく、高倉健という人間が内省の底から掘り当てた、剥き出しの告白だったのである。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。