この地にスペインの食文化の種をまいたのが、日本におけるスペイン料理の先駆者である深谷宏治氏だ。本場バスクの伝説的名店「ルイス・イリサール」で腕を磨いた深谷氏は、1981年に「レストラン バスク」を開業。道南の厳選素材を使い、本物のバスク料理を日本に紹介し続けた。
深谷氏の情熱は厨房にとどまらない。日本バスク友好協会の活動を通じて文化交流を深め、2009年には世界のトップシェフが集う「世界料理学会 in HAKODATE」を立ち上げた。料理人が技と哲学を惜しみなく共有するこの試みは、地方の外食産業に革命を起こし、函館を国際的なガストロノミーの拠点へと押し上げる原動力となった。