取材の中で多くの小児科医が警鐘を鳴らすのが、単なる「体の反り返り」を寝返りと混同してしまうケースだ。生後2ヶ月前後の筋緊張が高い時期、泣いたり不快感を示したりした拍子に、背中を大きく弓なりに反らせて勢いで横向きになる現象がある。
意図的な寝返りとの決定的な違いは、下半身の主導性と視線の向きにある。本物の寝返りは、赤ちゃんが目標を見据え、足を高く持ち上げて腰をひねり、下半身から上半身へと連動させて体を回転させる。一方、反り返りによるものは頭が後ろに倒れ、偶然バランスを崩して倒れ込んだに過ぎない。この違いを注意深く観察することが、赤ちゃんの正しい身体操作を見守る第一歩となる。