異国情緒が渦巻く上野アメ横センタービルは、まさに街の多重構造を象徴するランドマークだ。地下に降りればアジア各国の食材やスパイスの強烈な香気に圧倒され、上の階へと上がれば混沌とした空間の中に選び抜かれた古着が並ぶ。
近年このエリアで急速に支持を広げているのが、フランスやドイツのワークジャケット、イギリス軍のトラウザーに代表されるユーロヴィンテージのセレクションだ。アメリカ古着の荒削りな魅力とは対照的に、立体裁断による美しいシルエットやインディゴリネンの経年変化は、感度の高い若年層の足を止めさせている。国境や年代が混沌と混ざり合うこのビルの中では、思いがけないカルチャーの衝突が日々生まれている。