それでは、あらゆるアプローチを統合した「家庭における最高峰の一皿」の全貌を公開しよう。用意するのは、大ぶりの生マッシュルーム1パック、有塩バター20g、ニンニク1片、粗挽き黒胡椒、そして仕上げの上質な醤油小さじ半分だけだ。
フライパンを強火で煙が出る直前まで熱し、オリーブオイル小さじ1を入れたら、4等分に切ったマッシュルームを断面を下にして並べる。ここで絶対に触らないのが最大の鉄則。2分間動かさずに焼き色をつけたら、フライパンをあおってニンニクとバターを投入する。泡立つバターの泡をスプーンですくい、キノコの上から何度も回しかけるアロゼの技法を取り入れる。
最後に鍋肌から醤油をジュッと垂らし、強火のまま火を止めて黒胡椒を挽く。立ち上る香ばしい焦がし醤油とナッツのようなマッシュルームの香気。口に運べば、サクッとした歯ごたえの後に濃厚なエキスが口内を満たす。これぞ、現代の家庭料理が到達した最高到達点だ。