深夜にコンビニの看板が消える光景は、もはや珍しいものではなくなりました。経済産業省の調査やフランチャイズ業界の最新レポートによると、全国で深夜休業を実施または実証実験中の店舗数は全体の約15〜20%規模にまで拡大しています。「24時間開いていて当たり前」だった時代から、なぜこれほど急激に見直しが進んだのか、そこには複合的な構造要因が存在します。
最大の要因は、人手不足深刻化と労務コストの上昇です。深夜労働(22時〜翌5時)に義務付けられている25%の割増賃金に加え、最低賃金の継続的な引き上げが重なり、深夜帯のアルバイト確保に必要な時給相場は都市部で1,500円〜1,800円台、地方でも1,200円超へと高騰しました。求人広告を出しても応募が全く集まらず、加盟店オーナー自らが毎晩のように夜勤シフトに入らざるを得ない事態が常態化していったのです。
さらに追い打ちをかけたのが、近年の深夜電気代高騰です。大型冷蔵・冷凍ショーケースや照明を24時間フル稼働させるコンビニの月間電気代は、数年前と比較して約1.3倍〜1.5倍に跳ね上がり、店舗経営を直接圧迫しています。深夜帯(24時〜翌5時)に来店する客数は日中の数分の一に留まるケースが多く、得られる粗利よりも「人件費+光熱費」が大きく上回るコンビニ深夜売上赤字の店舗が急増しました。開ければ開けるほど損失が膨らむという経済的合理性の崩壊が、24時間営業見直し理由の根底にあります。
こうした過酷な環境を受け、かつて一律の終日営業を原則としていた本部と加盟店の契約は大きく改定されました。公正取引委員会の指導や社会的な労働環境改善の要請を背景に、オーナー負担軽減を最優先課題とした柔軟な契約形態が整備され、加盟店側の申し出による時短営業の協議が制度として定着しています。