なぜ人々は彼女のサイズ感を実際よりも誤認してしまうのか。そこには、日本社会特有のジェンダーイメージとメディア認知のバイアスが深く関係しています。
昭和から平成にかけての日本の芸能界では、女性タレントに対して「小柄で庇護欲をそそる存在」であることが大衆的人気を得る近道とされた時代が長く続きました。綾瀬はるかさんのデビュー初期におけるパブリックイメージも、バラエティ番組で見せる天然ボケ当意即妙な回答や、守ってあげたくなるような無垢な佇まいにありました。
大衆心理として、「柔らかい性格=小柄な体躯」という無意識のステレオタイプが形成されます。そのため、映画『精霊の守り人』『奥様は、取り扱い注意』『リボルバー・リリー』などで見せた、男性スタントマンを圧倒するアクロバティックな立ち回りや、165cmの骨格をフルに使ったダイナミックなアクションを目にした瞬間、認知のズレが極大化します。「こんなに強くて大きいなんて想像と違う」という驚きが、ネット検索において「サバ読み」という扇情的なキーワードへと変換されてしまうのです。
新垣結衣さん(公称169cm)や長澤まさみさん(公称168cm)と同様、彼女もまた高身長 女優の代表格として日本エンタメ界のスケール感を牽引する存在であり、小柄な枠組みに収まるタレントではないという事実を認識する必要があります。