音楽的な構造に目を向けると、「365日の紙飛行機」は綿密に計算された歌い分け(パート割り)と、アコースティック・フォークの王道を行く美しいコードプログレッションによって構築されています。
本作の作曲を手掛けたのは、数々の名曲を世に送り出してきた角野寿和と青葉紘季のコンビです。メロディラインは派手な転調を控え、どこか懐かしい70年代フォークソングの情緒を漂わせています。
特筆すべきは、イントロからAメロ冒頭にかけてのパート割りです。大所帯グループの楽曲では全員での合唱から始まるケースが多い中、本作は山本彩の完全なソロボーカルで静かに始まります。アコースティックギターのアルペジオに乗せて紡がれる彼女の独唱がリスナーの耳を惹きつけ、その後、横山由依、渡辺麻友、指原莉乃といった当時の主要メンバーのソロや少人数ユニットへとバトンが渡されていきます。
ギターコードの構成も、弾き語り愛好家にとって極めて親しみやすい設計となっています。キーは原曲でGメジャー(ト長調)を基調としており、基本コードである「G - D - Em - Bm - C - G - Am7 - D7」といったダイアトニックコードを中心に展開します。難しいバレーコード(Fなど)に挫折しがちな初心者でもカポタストを用いれば比較的容易に演奏できるため、中高生が音楽の授業や自宅でアコースティックギターを手にする格好の入門曲として機能しました。