芙蓉やムクゲを観察していると、南国を思わせるハイビスカスや、垂直にすっくと伸びるタチアオイ(立葵)と混同してしまうケースも少なくありません。いずれも同じアオイ科に属する近縁種ですが、生育環境や植物のタイプに本質的な違いがあります。
まずハイビスカス(学名:Hibiscus rosa-sinensisなど)は、寒さに弱い熱帯性低木です。日本の温暖地以外では基本的に屋外での越冬が難しく、鉢植えで冬場は屋内に取り込む必要があります。また、花の中心から伸びる蕊(しべ)の筒が非常に長く突き出し、原色に近い鮮烈な赤や黄色、オレンジなど南国特有のヴィヴィッドな花色が多い点で見分けられます。
一方のタチアオイは、樹木(木本植物)ではなく多年草(草本植物)です。地面からまっすぐ1本の茎を1.5〜2m以上も空に向かって伸ばし、その茎に沿ってびっしりと下から上へと順番に花を咲かせていきます。幹が木質化して枝分かれする芙蓉やムクゲとは、植物の骨格そのものが根本から異なります。