官公庁の動きもこれまでにない速度で連動している。中小企業庁が主導する各種補助金制度や、経済産業省が旗振り役を務めるスタートアップ政策は、従来の製造業偏重からディープテックやデジタルサービスへと大胆に軸足を移した。税制面でのエンジェル税制拡充や、ストックオプションのプール制導入など、かつてシリコンバレーを羨望の眼差しで見つめていた日本の起業環境は劇的な変貌を遂げつつある。
だが、手厚い公的支援には落とし穴も潜む。補助金の採択通知は決して「即金の入金」を意味しない。事業実施後の後払い(精算払い)が原則であるため、つなぎ資金の手当てを怠った企業が黒字倒産の危機に瀕するケースが頻発している。公的な支援網をフル活用するためには、行政のタイムラインと自社のキャッシュフローを完全に同期させる高度な資金管理能力が不可欠だ。