結論から言えば、内容証明郵便に財産を差し押さえたり、警察を動かしたりするような直接的な法的強制力はありません。「期日までに100万円を支払え」と書かれた内容証明が届いても、それだけで銀行口座が凍結されたり、給与が差し押さえられたりすることはないのが法的な事実です。
日常会話では「法的効力」と「強制力」が混同されがちですが、法律上の強制力(強制執行権)を持つのは、裁判所の確定判決や和解調書、あるいは公証役場で作成した公正証書(執行認諾文言付き)などに限られます。内容証明郵便は、あくまで差出人が受取人に対して「自身の主張や意思を郵便局という公的機関を介して伝えた」という事実を証明する手段に過ぎません。
それにもかかわらず、なぜ内容証明がこれほど恐れられ、重宝されるのでしょうか。その理由は、強制力とは別の次元にある「圧倒的な証拠保全能力」と「法律行為の成立要件」を満たす効力にあります。