押尾川親方が指揮を執る押尾川部屋最大の特徴は、相撲界の旧態依然とした精神論から脱却した徹底的な科学的指導法にあります。親方自身、現役時代からトレーニング論や栄養学に深い関心を持ち、引退後には早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で修士号を取得した知性派指導者です。
稽古場には複数の高画質カメラとモニターが設置されており、取り組み直後に力士自身がスロー映像で立ち合いの角度や重心の移動、踏み込みの軌道を確認できるシステムを導入。感覚だけに頼らない「視覚的フィードバック」によって、稽古の効率を劇的に高めています。
さらに、スマートウォッチやアプリを用いた睡眠時間・心拍数・体重管理、体組成データに基づいた栄養管理など、現代スポーツ科学の知見を惜しみなく注入。理不尽な上下関係を排し、「なぜこの稽古が必要なのか」を力士一人ひとりに論理的に納得させる対話型マネジメントが、若い力士たちの自主性を大きく引き出しています。