激やせと並び、病気説を決定づけるニュースとして日本中に報じられたのが、2018年8月21日の巡業先での昏倒事故です。当時の生々しい報道記憶を持つ読者も少なくないでしょう。貴乃花が倒れた真相と貴乃花救急搬送の経緯は、決して隠された不治の病などではありませんでした。
当日、秋田県秋田市で行われていた夏巡業の稽古場において、貴乃花親方(当時)は突然意識を失ってその場に崩れ落ち、救急車で市立病院へと緊急搬送されました。一時は集中治療室に入ったことから「心筋梗塞か」「脳卒中ではないか」と日本中が騒然となりましたが、医師から下された正式な診断名は「熱中症および脱水症状」でした。
背景にあったのは、単なる暑さだけではありません。当時、日本相撲協会内部における暴力問題の告発やガバナンス改革を巡り、貴乃花氏は組織内で孤立無援の闘いを続けていました。連日連夜に及ぶマスコミの追跡取材、協会上層部との激しい軋轢、弟子たちを守るための心労により、睡眠時間は極限まで削られ、心身の消耗は限界値を超えていたのです。貴乃花体調不良の噂の根本には、責任感の強さから自身の限界を超えて踏ん張り続けた結果としての「急性虚脱」がありました。その後、速やかに点滴治療を受け、翌日には意識を回復して無事に退院しています。