それでは、ボールに強烈なサイドローテーションを与えるボウリングリリースの真相とは何なのでしょうか。その絶対的な鍵を握っているのが、親指を抜くタイミング(サム・ファースト)と適正なボーリングカーブ手首の使い方です。
カーブを発生させるための大原則は、「ボールから親指が完全に抜け落ちた後、中指と薬指の2本が一瞬だけボールの底に引っかかり、転がし上げるように押し出す」という一連の時間差運動にあります。親指と中指・薬指が同時に抜けてしまうと、無回転の棒球になります。反対に、親指が最後まで残ってしまうとボールを抱え込んでしまい、ロフトボール(レーンに叩きつける投球)の原因になります。最良のタイミングは、スイングの最下点を通過し、右手が時計の針でいう「7時〜8時」の角度から前方へ振り出されるわずか数センチメートルの区間です。
ハウスボールを使用する一般プレーヤーでも、この原則さえ理解すれば誰でも曲がりを体感できます。実践的なハウスボール曲げるコツは以下の3点に集約されます。
第一に、ボーリングカーブ握り方初心者が真っ先に見直すべきは「指を入れる深さ」です。一般的なストレート投法では第2関節まで深く指を入れますが、カーブを狙う際は中指と薬指を第1関節と第2関節の間、あるいは第1関節だけをかける「セミフィンガーグリップ」気味に浅く構えます。これにより、親指が自然に抜けた後のフィンガーの引っかかり(リフト)が劇的に増大します。
第二に、アドレス時の手のひらの向きです。ボールを持つ際、右手の平を天井に向けた状態でボールを下から支え、手首をやや内側に折り込む「カップリスト」の形を緩やかに保ちます。スイング中はこの手首の角度を変えず、ボールを前方のピンではなく「握手するように前方へ差し出す」意識でフォロースルーを行います。無理に手首をひねらなくても、ボールが前へ抜ける反作用で指先が右斜め上へ押し出され、自然と強烈なフック回転が宿ります。
第三に、ハウスボール選びの妥協を排することです。多くの人が「重さ」だけでボールを選びがちですが、カーブ投球において最も致命的なのは「指穴のガバガバ感」です。親指の穴が大きすぎると、ボールを落とさないよう無意識に親指を曲げて強く握りしめてしまい、肝心のリリースの瞬間に親指が抜けなくなります。親指の腹と背が適度に触れ、力を入れずともスイング中に抜け落ちず、最下点でスッと摩擦なく抜けるタイトな穴サイズのボールを根気よく探すことが、上達の隠れた第一歩です。