愛猫家の間で「まるで動くテディベア」と称賛されるブリティッシュショートヘアのゴールデンですが、定番のブルーやブラック、タキシード柄とは根本的に何が異なるのでしょうか。取材と遺伝学的知見から見えてきたのは、単なる「色の違い」を超えた3つの決定的な差異です。
第1の決定的な違いは、「ゴールデンシェーデッド(Golden Shaded)」と呼ばれる特殊な毛色構造にあります。ゴールデンの被毛は、根元から毛先まで一様に黄色や茶色に染まっているわけではありません。毛の根元から大部分が温かみのあるアプリコット〜リッチゴールドで満たされ、毛先のごく一部(およそ3分の1から8分の1程度)だけにブラックやダークブラウンの「ティッピング(着色)」が入ります。この絶妙なグラデーションが光の当たり加減によって陰影を生み出し、息をのむような立体感と気品を醸し出します。
第2の違いは、シルバー系との遺伝的メカニズムの差異です。よく比較される「シルバーシェーデッド」が白色色素をベースに黒のティッピングを持つのに対し、ゴールデンはワイドバンド遺伝子の働きによって黄色色素が強く押し出された結果生まれます。遺伝的に発現させる難易度が極めて高く、ブリーディングにおける再現性が低いため、市場における希少価値が格段に跳ね上がります。
そして第3の特徴が、生後数か月にわたって繰り広げられる目の色の劇的な変化です。生まれたばかりの子猫は「キトンブルー」と呼ばれる青灰色の瞳を持っていますが、生後2〜3か月を境にメラニン色素の定着が始まり、生後半年から1年半ほどかけて深いエメラルドグリーン、あるいは鮮やかなヘーゼルやイエローグリーンへと変化します。ゴールドの被毛にエメラルドグリーンの瞳が組み合わさった成猫の姿は、宝石のようなコントラストを放ちます。