解剖学の国家試験対策において最も確実な武器となるのは、「試験開始の合図と同時に、問題用紙の余白に腕神経叢の模式図を自力で再現できるスキル」です。どれほどひねった問題が出題されても、手元に正確な略図があれば、指で経路を辿るだけで数秒以内に正解を導き出せます。
用意するものは紙とペンだけです。定規もコンパスも一切不要。以下の5つのステップを手順通りに紙の上にトレースしてください。
ステップ1:左端に縦並びで「C5・C6・C7・C8・Th1」を等間隔に書く
まずは紙の左端に、上から順に「C5」「C6」「C7」「C8」「Th1」と5つの記号を縦に並べて書き、それぞれから右側へ向かって水平な短い横線を引きます。これが「神経根」です。
ステップ2:「上・中・下の3つの幹」を作る(Yの字の合流)
C5とC6から出た線を斜めに合流させて1本の太い線にします(上神経幹)。C7の線は合流させず、そのまま真っ直ぐ右へ伸ばします(中神経幹)。C8とTh1から出た線を斜めに合流させて1本にします(下神経幹)。これで3本の「神経幹」が完成します。
ステップ3:「後神経束」を中央に引っこ抜く
ここが最も重要な分岐点です。上神経幹・中神経幹・下神経幹のそれぞれから、斜め後ろ(中央後方)へ向かう分枝を出し、この3本の後部をすべて1つに合流させます。これが「後神経束(こうしんけいそく)」になります。「上・中・下の後ろ向きの枝が全部集まったのが後神経束」と覚えましょう。
ステップ4:「外側神経束」と「内側神経束」を作る
残った前部の枝を処理します。上神経幹と中神経幹の前部を合流させて「外側神経束」を作ります。そして下神経幹の前部はそのまま単独で右へ直進させ、「内側神経束」とします。これで外側・後・内側の「3つの神経束」が出揃いました。
ステップ5:右端に巨大な「M」を描いて主要5神経を完成させる
仕上げは五大終枝の配置です。外側神経束と内側神経束の間で、アルファベットの「M」の字を描くように枝を伸ばします。外側神経束の最外側へ抜けるのが「筋皮神経」、Mの字の中央で外側神経束と内側神経束が合流して伸びる太い幹が「正中神経」、内側神経束の最内側へ抜けるのが「尺骨神経」です。そして、ステップ3で作った後神経束からは、短く抜ける「腋窩神経」と、太くそのまま直進する「橈骨神経」の2本が分岐します。
日々の演習でこの手順を1日1回、1週間連続で描き続ければ、誰でも所要時間2分以内で精密な腕神経叢の模式図を紙の上に描き出せるようになります。