「nepali shop near me」という検索ワードの背後には、「本当にこの価格で安全なのか」「なぜ一般の小売りとここまで差があるのか」という強い疑問が存在する。店頭に並ぶクミンパウダーが100gあたり150〜200円前後、レンズ豆が1kgで500円前後という設定は、一般的な日本のスーパーマーケットにおける相場と比較して半値以下、場合によっては3分の1以下に達する。この破格のプライシングを支えているのが、ネパール食材店が安い理由の根幹にある独自の流通構造だ。
第一に、中間流通マージンの徹底的な削減が挙げられる。大手輸入商社や二次・三次卸を経由する一般流通と異なり、ネパール食材店の多くは在日ネパール人の実業家ネットワークが現地法人を通じて直接コンテナ単位で輸入を行っている。ネパール直輸入スパイスの真相を取材すると、インドやネパール現地の生産拠点で一次加工された原料を、中間業者を挟まずに国内の集約倉庫へ直送し、自社系列や提携店舗へ直接配送するサプライチェーンを確立している実態が浮かび上がる。
第二に、これらの店舗は日本の一般消費者に向けた嗜好品ビジネスではなく、在日ネパール人や南アジア系住民のための「生命線としての生活インフラ」として機能している点だ。ネパール人の主食であるダルバート(豆スープと米、副菜の定食)に欠かせない豆類や米は、日本人にとっての白米や味噌と同じデイリー必需品である。過度な利益を乗せず、回転率の高さと薄利多売によって利益を確保する薄利多売モデルが成立している。装飾を削ぎ落としたシンプルな内装や、雑居ビルの空中階・地下といった割安なテナント選びも、固定費を極限まで抑えて販売価格に還元する構造を後押ししている。