インターネット上の掲示板やSNSでは、「管付き針にも外掛け結び(または内掛け結び)が一番強い」という意見が散見されます。しかし、これは仕掛けの構造力学を無視した危険な誤解です。
外掛け結びは、本来「耳付き針(叩き針)」の平たい耳に引っ掛けて止めるためのノットです。これを管付き針に施し、アイの穴にラインを通さずに軸だけに巻き付けた場合、魚の強い引きで結び目全体がアイの根元まで滑っていきます。管付き針のアイは溶接部や曲げの境目に微小な段差があり、そこに結び目の最前列が衝突した瞬間、結び目がひしゃげて強度が激減するか、段差を乗り越えてすっぽ抜ける事故に直結します。
管付き針で外掛け結びを行う唯一の正解ルートは、「ハリスをアイのフトコロ側から通してから、針軸に巻き付け、結び目をアイよりも下(フトコロ寄り)で完全に締め切る」ことです。アイの穴を通過したハリスがストッパーの役割を果たすため、すっぽ抜けは防げますが、結び目がアイに接触して傷つくリスクは残ります。したがって、環がある針にはアイそのものをアンカーとして利用するパロマーノットや完全結びを用いるのが、物理的にも最も理にかなっています。