手術直後から日常生活への復帰に至るまで、患者が最も精神的ストレスを抱えやすいのが術後の不快感とダウンタイムです。実際の切開体験記(『霰粒腫「切開手術」体験記』など)では、手術直後の生々しい心理描写として「まばたきをするたびに激しいゴロゴロ感と異物感に襲われ、泣きそうになりながら帰りの電車に揺られていた」といった手記が残されています。術後は止血のために眼帯を装着して帰宅する場合と、軟膏を塗布して保護メガネ等で帰宅する方針に分かれますが、いずれも麻酔が切れる当日の夕方以降に鈍痛と強い違和感がピークを迎えます。
溜池山王・伊藤眼科が公開している術後経過の臨床記録によると、まぶたの腫れや内出血は時間の経過とともに明確な回復パターンをたどります。皮膚側からアプローチした場合でも、傷口は丁寧に縫合または処理され、時間の経過とともに目立たなくなっていきます。
「傷跡が一生残るのではないか」という懸念については、切開のアプローチ方法に左右されます。霰粒腫がまぶたの裏側に近い場合は結膜切開(裏側切開)が選択され、この場合は皮膚表面にメスを入れないため外見上の傷跡は一切残りません。しこりが大きく皮膚を突き破りそうなケースでは皮膚切開(表側切開)が行われますが、眼科専門医はまぶたのシワや重瞼線(二重のライン)に沿って切開を行うため、術後1〜2ヶ月が経過すれば至近距離で見ても傷跡が分からないレベルにまで回復します。