4月1日生まれは学年を選べる?早生まれの法的な真相と就学猶予のリアル

4月1日生まれは学年を選べる?早生まれの法的な真相と就学猶予のリアル

4月1日生まれは学年を選べる?早生まれの法的な真相と就学猶予のリアルの疑問点について、最新情報を詳しくお届けします。

「法律上は理解できても、どうしても子どもの成長が遅れていて心配だ」という保護者が行き着くのが、4月1日生まれ学年を遅らせる方法としての「就学猶予(しゅうがくゆうよ)」や「就学免除」の制度です。しかし、教育現場を取材すると、この手続きがいかに高い壁であるかが浮き彫りになります。

学校教育法第17条にはただし書きがあり、さらに同法施行令や学校教育法施行規則において「病弱、発育不全その他やむを得ない事由によって、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、就学義務を猶予又は免除することができる」と定められています。これが法的に存在する唯一の小学校入学時期の特例措置です。

では、実際にどのような基準で審査されるのか。各自治体の教育委員会に取材を重ねると、就学猶予の手続きと条件の実態は想像以上に厳格です。

申請には、指定医療機関の専門医による詳細な診断書、発育歴、日常生活の自立度に関する調査票の提出が求められます。対象となるのは、長期入院を要する重篤な疾患、著しい骨格・内臓の奇形や機能障害、生命維持に関わる重度の障害などにほぼ限定されています。「同じ学年の子どもより体が小さい」「ひらがなが読めない」「落ち着きがなく早生まれのデメリットを受けそうだから」といった発達の緩やかさや親の教育的配慮は、審議の対象にすらなりません。

自治体の教育委員会担当者は次のように実情を吐露します。
「保護者から『4月1日生まれで早生まれが可哀想だから1年遅らせたい』というご相談をいただくことは珍しくありません。しかし、個人の発育ペースや学業面での不安を理由に猶予を認めてしまうと、義務教育の公平性と学籍管理の根幹が崩れてしまいます。現行の法制度下では、医師が明確に集団就学不可能と認める疾患等がない限り、申請を受理することすらできません」

特例措置という言葉の響きとは裏腹に、親の裁量で利用できる抜け道は一切存在しないのが日本の初等教育の実情です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。