脊髄小脳変性症と診断された際、多くの人が不安を抱くのが「余命」や「進行スピード」です。この疾患は単一の病気ではなく、数十種類以上の孤発性(多系統萎縮症など)および遺伝性(SCA1〜SCA48など)の病型に細分化されます。
遺伝性脊髄小脳変性症(SCA3やSCA6など)の多くは進行が非常に緩徐であり、発症後10年〜20年以上にわたって自立した生活や就業を継続している患者が数多く存在します。寿命への直接的影響が少なく、天寿を全うされるケースも珍しくありません。
一方、孤発性の代表格である多系統萎縮症(MSA)は比較的進行が早く、発症後数年で車椅子や介護が必要となる傾向があります。ただし、どの病型であっても「誤嚥性肺炎」や「転倒による骨折・寝たきり」といった二次合併症の予防を徹底することで、生命予後や生活機能の維持期間は大きく改善します。